01. 咬みつき改善
咬みつきは学習行動
チミチミ咬んでくるとのこと。咬む場面を観察・分析して、咬まれない環境づくりとご褒美トレーニングを実践。
肩は安心の場所。だけど、手にはのってくれないとのこと。手に対する恐怖心があったので、ご褒美トレーニングで手への恐怖心を克服。
トレーニングを開始して「本当に1週間で変わった!」とのご報告。今まで咬まれて傷だらけだった手がきれいに。
チミチミ咬んでくるとのこと。咬む場面を観察・分析して、咬まれない環境づくりとご褒美トレーニングを実践。
鳥さんが咬むのは理由があります。
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自己/テリトリー防衛
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意思表示
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リアクションを引き出すためなど
いずれも人が意図せず教えてしまった学習行動だと言えます。
【改善法】
ポジティブレインフォースメントを使って、望ましい行動の時にご褒美、望ましくない行動の時はノーリアクション&ご褒美なし、という一貫したルールを継続していきます。
「咬んだらどうすれば?」よりも、咬ませない環境作りと咬まない時(=望ましい行動)にいかに褒めるかが大切。適切に行えば、1週間程度で変化が現れます。(トレーニング頻度にもよります。行動が定着するまでさらに1か月ほどかかります。)
いろいろな咬みつき事例はスライドをご覧ください。
02. 毛引き・自咬改善
毛引き・自咬は鳥さんからのメッセージ
飼い主さんの出産で生活環境がガラリと変わってしまい、鳥さんと接する時間があまりとれなくなったとのこと。人も無理のない範囲で、ケージの中で忙しくできるようにおもちゃで遊ぶ動機づけやフォージングの導入を提案。
環境が変わったことにより始めた自咬。もともとオンリーワン気質。ストレス耐性を上げていくためにフォージングや定期的にトレーナーに会って自信をつけていくことに。肩にのってくれるようにもなりました。
握手もお手のものに。
飼い主さんの出産で生活環境がガラリと変わってしまい、鳥さんと接する時間があまりとれなくなったとのこと。人も無理のない範囲で、ケージの中で忙しくできるようにおもちゃで遊ぶ動機づけやフォージングの導入を提案。
身体的、又は精神的な要因が考えられますがその原因は様々。毛引き・自咬の歴史が長ければ長いほど改善には時間がかかります。自分の羽を抜いたり身体を傷つけるよりも、もっと楽しいことがあるよ♪という気持ちで、少しのできた!を飼い主さん自身も楽しみながら取り組んでいくことが大きなカギとなります。
【改善法】
フォージングの導入やおもちゃで遊ぶ動機付けを活用して思考する時間を増やす。思考や選択の機会が与えられることにより、羽や身体に向かっていた関心事を他にそらしていき、常同行動を切り崩していきます。その他に、生活環境全般の見直しも必要。
毛引き・自咬は、一旦習慣化してしまうと改善には時間がかかったり、あるいは飼い主さんが思い描く改善に至らない場合があります。それでも、鳥さんに自分の羽を抜いたり、皮膚を齧ったりするよりも他に楽しいことがあるよと伝えていけたらと考えています。
いろいろな事例はスライドをご覧ください。
03. エンリッチメント
生活の質の向上に欠かせないこと
おもちゃで遊ばない鳥さんはいません。一日のほとんどの時間をケージの中で過ごす鳥さんにとっておもちゃで遊ぶことはとても大切なお仕事。遊ばない理由は、遊び方を知らない、好きな素材(色・形)じゃない、近づくのが怖いなどなど。日常的にフォージング(餌探し行動)も取り入れて、鳥さんが忙しく過ごせる工夫が必要です。
【改善法】
鳥さんの現在の行動が大きなヒントとなります。じっくり観察して、齧るのが好きな素材は?その時の飼い主さんのリアクションは?できるところから少しずつ遊びのレパートリーを増やしていきます。食べるの大好き!な鳥さんは、おもちゃに大好きなエサやおやつを隠して動機付けアップ!
スライドをご参考に、鳥さんの好みを探ってみてください。
*素材を呑み込んでいないか、おもちゃでケガをしないかなど観察をお願いします!
04 | 呼び鳴き
鳥さんは鳴いてコミュニケーションをとる生き物です。なので、全く鳴かないで!というのはムリな話。中型・大型の鳥さんとなると、雄叫びが日課になる場合も。大切なのは、「こんな風に鳴いたら、そばに来てくれた!ケージから出してもらった!」という成功体験を作らないことです。許容できる大きさや鳴き方を教えてあげて、許容できないボリュームの場合はノーリアクションを。呼び鳴き改善には徹底したルール作りと一貫したトレーニングが何よりも重要です。
05 | 臆病・怖がり屋さん
「怖がらないように、怖がらせないように」という接し方はかえって逆効果。このタイプの鳥さんは、ストレス耐性を上げていくための接し方を心掛けていくことと、ターンなどの簡単なトレーニングで「できた!」の自信をどんどんつけていくことが必要です。また、積極的に家族以外の人に会う機会を設けることで「人って怖くないんだ♪」とさらに自信が得られでしょう。目指すは、心も身体も強い鳥さんです!
06 | ペレットへの切り替え
ペレットとは鳥さんの総合栄養食で、犬でいうところのドッグフードです。どうやら、シード(皮付餌)の方を好む鳥さんが多いようで、なかなかシード食からペレット食に移行できないパターンは少なくないようです。たとえ、ペレットを食べてくれなくても栄養バランスの取れた食事内容にすることが大切です。ペレットの利点は消化に良く、胃を悪くした時や、食欲が低下した時に効率的に必要な栄養を補える点。あきらめずに、あの手この手で食べてくれる工夫を!
07 | ダイエット
鳥さんも人と同様に「肥満は万病の元」。 肥満は様々な病気を引き起こすだけでなく、老化も加速させます。鳥さんの適切な体重を把握し、体重コントロールをするのは飼い主さんの役目です。太ってるからと言って、単にエサを減らすだけでは鳥さんにとっては不満でしかたありません。
フォージングを活用して一気食いを防止し、運動してもらう接し方が必要です。
08 | 発情抑制
人と暮らす鳥さんで、最も頭を悩まされるのが「発情」と言っても過言ではないでしょう。
人との暮らしは発情の要件が揃いすぎているからです。「おもちゃは発情するから全て取り除いてください」というのは誤った認識です。発情対象を取り除くことは大切ですが、何かを禁止したら、何かを許可することが鉄則です。
鳥さんの発情抑制のカギとなるのは何と言っても「食餌量の調整」と「いい刺激(思考)」です。
09 | お役立ちトレーニング
鳥さんと暮らしていく上で、健康管理からコミュニケーションを兼ねたトレーニングは、ぜひ日常に取り入れてもらいたいことの一つです。
例えば、体重測定やケージ(キャリー)に入ってもらう、タオルトレーニングなど鳥さんに協力してもらうことで、鳥さ んと飼い主さんの負担も減ります。基本的な「おいで」トレーニングからスタートしてご褒美をあげるタイミングなど鳥さんに教えてもらっては いかがでしょうか。
10 | 用品選び
ケージ付属の止まり木やエサ入れを使うのもいいですが、鳥さんにとってもっと魅力的なレイアウトが工夫次第でできるかも。
例えば、自然木を使ったり、エサ入れを複数個取り付けてフォージングなど。
また、足の悪い鳥さんや老鳥さんに合わせた用品選びなどなど、決まった形式はありません。
鳥さんに最適なものを選んであげるには柔軟な発想と閃きがカギです。
11 | コミュニケーション
鳥さんは見た目はあまり変わりませんが、心も成長しています。成長の過程で1才ごろには自立心が芽生え(第一次反抗期と言われることがりますが、反抗している訳ではなく独立独歩の時期の始まり
です)、4~6才ごろは性成熟期と言われています。いつまでも子供扱いしていると「うちのコが豹変した!」と戸惑ってしまう場合も。成長ステージに合わせた接し方を知り、体中を撫でまわすことだけがコミュニケーションではないということを知ってもらいたいと思います。
首から下の身体に刺激を与えると発情を促し、オスの場合は攻撃的に、オスメス限らず、場合によっては毛引きにつながる場合も。
鳥さんの個性に合わせた方法を
飼い主さんみんなが、目の前の鳥さんの専属お世話係&専属トレーナー
どう接していいのかわからない・・・と飼い主さんが思う時、鳥さんの方も同じように感じているかもしれません。
鳥さんにも個性があります。感情もあります。一年中、同じ精神状態でいられないのは人も鳥も同じではないでしょうか。そんな時、役に立つのが応用行動分析学に基づくトレーニングです。トレーニングをする上で、観察も欠かせません。
ネットなどで簡単に情報が入手できる世の中ですが、ネットなどの情報は参考程度にとどめていただき、ぜひ、目の前にいる鳥さんに落とし込んでいただくことをおススメします。
どうしてもうまくいかない場合、何かしらうまくいかない理由が隠されています。そんな時はぜひバードトレーナーに頼っていただけたらと思います。
鳥さんに対して、怖がり屋さん、頭が悪い、いじわるなどのレッテルを貼ることがないようにお願いします。飼い主さんがあきらめてしまってはそこで終わりです。
鳥さんの可能性は無限大です。